まださなぎ(旧)

誰かさんの蝋の翼。気負わず気楽に書いてくよ。

元comicoチャレンジ作者さんが公開した編集者とのメールについて、アレコレ考える記事

 

この記事全体の前提となるのは、このページ。

http://izauijin.web.fc2.com/wareseke/a.html

 

まあ、色々と思うところはあるけれど。

何よりもcomicoの内情を推測する上では、格好の内容だ。

 

細かく場所指定して「この部分は〜」と書いていくので、

できれば当該ページを先に読んで、同時に開いておいて頂きたい。

 

ではでは、急ぎ足に本題。

 

 

 

前提説明(主に事情知らない人向け)

 

comicoというWEBマンガサイトがある。

[http://www.comico.jp/]

 

ここには「アマチュア投稿作家を、公式作家に格上げ」する制度がある。

要するにプロにスカウトされるってことだ。

 

で、公式作品になると報酬がもらえる。

その額「月給20万+場合によっての追加報酬」。

しょっぱなから下世話な話だが、重要なことだ。

 

冒頭のページを公開した『左原』氏は、その公式作家を目指していた一人。

 

ページ内でもあるように、

作品投稿を続けていると、「公式作品候補に選ばれた〜〜」的なメールが届いた。

それが、あのページの始まりになる。

 

該当ページ内容の要約

(編集者の名前については、便宜上のイニシャルをつけた)

 

左原氏に「公式作家に興味はあるか?」とcomicoサービスサポートからメールが来る

待たされながらも、一人目の編集者(以降『S氏』)とやり取りが始まる

幾つか作品・ネームその他を送ったが、結局S氏からは渋い返答

S氏のメールには「また投稿しつつ、ブラッシュアップをしたらどうか?」とも取れる発言もあった

しかし、左原氏がブラッシュアップ案を質問すると、S氏は「返信待って」と言い残し沈黙

二ヶ月の放置の後、突如二人目の編集者(以降『M氏』)からメールが来る

M氏はアドバイスを行いつつ、幾つか質問を問いかける

その中でM氏は、「comicoに投稿して大勢の人に見てもらった方が良い」と主張

しかし、左原氏は「その必要はない」と主張

すると、M氏から「個別指導は行わない」という最後通牒とも受け取れるメールが来る

左原氏、当該ページを公開。

2016/08/29現在に至る。

 

 

少なくとも僕の目には、こういう風に映った。

そういうまとめなので、詳細の部分は該当ページを見て欲しい。

 

一応はこの流れを前提に、記事を進めていく。

 

このページから伺える内情

 

当然のことだが、このページはある種の告発だ。

告発者の正誤を問わず、告発は他では見えない内情が見えてくる。

 

ここでは、ある程度はっきりしてる事実だけを述べる。

つまり、メールから読み取れるそのまま。

 

事実を重んじて、「予想・推測は出来る限り抜いた」。

少なくとも書いた僕としては、そのつもりだ。

 

 

comicoサービスサポートの文面から伺える事実

 

一つ目は、「編集部でなく、サービスサポートから招待メールが来る」こと。

 

二つ目は、「その際に、幾つかの但し書きがつけられていること」。

ここは具体的に、当該メールより引用しよう。(原文ママ

 

【※2】
こちらのご案内は、必ずしもcomicoでの連載をお約束するものではございません。

【※3】
このようなご連絡をさせていただいておりますことは、
口頭・SNSなど手段にかかわらず、
関係者以外への公知はしないようご協力をお願いいたします。

 

この文章が表に出ていることには、猛烈な皮肉を感じてしまう。

が……それは置いておいて、続けていこう。

 

三つ目は「サービスサポートに返信後、後日編集者より連絡する」システムであること。

 

この三つは、大きなサービスの管理面では、当然のことだろう。

次はS氏とのやり取りに関してだ。

 

S氏とのやり取りで伺える事実

 

一つ目は「Comico編集部内に存在する『Growingチーム』の存在」。

 

S氏からのメールには常に、「Cc:Growingチーム」という文面で始まり、

メールの最後は「Growingチーム (編集/デジタル)」という文面で終わる。

 

これは間違いなく、「S氏が『Growingチーム』に所属してる」ことを示している。

 

 

二つ目は「『口外しないで』という念押し

サービスサポートと同じ。

この辺りはきっちりとマニュアル化されてるようだ。

 

 

三つ目は「出来の良いプロットなら、ネームを依頼される場合あり」という部分。

 

「契約前でのネーム依頼」という話ね。

この場合、一話ネーム一つに「一週間〜二週間」という目安があるようだ。

 

 

四つ目は「『次に公式化する作品』を協議する場」があること。

文面からして、「編集者が推薦・推挙する形式」で、定期的に行われている。

さぞや作品とお金が天秤にかけられているのだろう。

 

 

五つ目は「ブラッシュアップを求められる作者の方が多い」こと。

comico投稿作品でよくある、「更新が止まって一年後に公式化発表」などは、

裏でブラッシュアップを続けてる、ということだろう。

 

 

六つ目は「理由説明なき編集者の異動

元々「編集がよく変わる」とは、comico公式作品での内輪ネタで描かれることもあった。

それがS氏の最後のメールでも表れている。

 

次はM氏について。

 

M氏とのやり取りから伺える事実

 

まず一つ目は、「M氏は『Growingチーム』ではない」こと。

 

この部分については、

「Ccが設定されていないこと」、「メール最後の『comico編集チーム』」

という二つの表記から伺える。

 

またS氏は「comico及びcomico PLUS」または「NHN comico」と名乗っており、

M氏は「comico 編集部」または「comico(の)」と名乗っている。

 

これは細かなことだが、重要な点である。

素直に解釈するならば、M氏は「comico(無印)」の編集部に所属しているのだろう。

 

 

二つ目は、「(素人目に見る限りは)M氏は有用なアドバイスを行っている」こと。

色使いの話、作者が好むジャンルの話、その他も少しづつ。

S氏が踏み込んだ話をしなかったのとは別に、踏み込んだ話も行っている。

 

 

三つ目は、「M氏が地味に、左原氏の名前を間違えてる」こと。

漢字がね、地味に違うのよ。

S氏は正しい「左原」表記だけど、M氏は「佐原」表記で統一。

 

ちょっと仕方ない部分もある。

IMEにもよるけど、「さはら」と打って変換すると「佐原」と出てくる。

逆に「左原」は出てこないのよ。

 

 

四つ目は、「左原氏の最後のメールが、何か地雷を踏んだ」こと。

 

これまでは「ネームは受け付けるよ」というスタンスだったM氏。

だが、このメールを最後に「個別指導は行わない」と方針転換している。

 

列挙するべき部分は、だいたいこれくらいかな。

 

感じる疑問と、推測できること

 

推測……というか、ゲスい邪推と取られるかもしれない。

それでもいい。とにかく僕は可能性を示したい。

 

一つ前の章とは打って変わって「予想・推測たっぷり」なので、

くれぐれも話半分に受け取って頂きたい。

 

comicoサービスサポートについての疑問

 

ここでの疑問は、

投稿作品に目をつけてるのは一体だれ?」ということ。

突然のご連絡ですが、投稿作品を拝見させていただき、
一度お話をおうかがいしたく、ご連絡しております。

(中略)


また、もしご興味がある場合は弊社編集担当が直接連絡を取らせていただきたいと存じますので(以下略)

 

始めのメール冒頭はこんな感じだ。

ここでは「投稿作品を拝見させて〜〜」としかなくて、どこの誰とも無い。

 

しかし、思い出して欲しいのは、S氏メールにあった文面。

Growingチーム」だ。

 

S氏の文面、そして、

「Contents Produce室」という部署名。

 

そこから推測するに、

このチームは「投稿作品を公式化する役割」があるのだろう。

まあ、「Growing」は「育てる(grow)の現在形」だし。

 

だから「Growingチームが、投稿作品から選抜している」可能性は高い。

勿論、そうでない可能性もあるが……。

 

S氏についての疑問・一

 

S氏への疑問。

その一つは「返信までの時間にバラつきがあるのはなぜ?」ということ。

 

始めにS氏のメールが送られてきてからしばらくは、数日おきに返信がある。

しかし、作品とネームその他を送ってからは、一ヶ月の放置期間。

 

それも左原氏が催促したからであって、

催促しなければ、もう少し待たされていた可能性もある。

 

そして、「5月半ばに協議の場がある」と言い残して、

S氏が(俗に言う)お祈りメールを送ってきたのは、6月に入ってから。

 

これは一体なぜなのか?

 

ここに確実な答えは見いだせないが、仮説を立てることは出来る。

 

推薦した作品が公式化されると、担当者の社内評価が上がる

公式化に至らなければ、そこまで評価されない」という仮説だ。

 

仮説の前提となることは三つ。

一、「拾い上げる投稿作品はけして一つでない

二、「作品・ネームを送ってから放置期間に入った

三、「催促のメールの、『翌日』に電話があった

 

この三つを合わせると、

作品を集めることが出来たら、後は出来る限り放置」。

どうも、こういう風に見えてしまう。

 

これは『担当編集』という立場においては、あまりに妙な動きだ。

 

しかし、comico社内で、仮説が適用されていると仮定すれば。

例えるなら「化石発掘の仕事」のように、別の合理的理由が生まれてくる。

 

 なにせ、公式化すれば大評価、そうでなければ社内評価には繋がりにくいのだ。

しかも、「ブラッシュアップを必要とする作者の方が多い」とS氏も言っている。

 

そういう状況で最大効率を得られる選択肢は、

とにかく手数を増やすこと。

効率的に『推薦用のネタ』を集めて、とにかく推薦する数を増やす」ことだろう。

 

先につばをつけておけば、

「ブラッシュアップの功労者=後に手柄を得る人間」にもなりやすい。

 

なにせ、S氏が自ら言っているように、

「コンタクトを取った編集者がブラッシュアップを行う」ことが慣行なのだから。

 

そう考えると、謎が一本に繋がる気もするのだが……。

まあ、適当な予想にすぎないのは百も承知だ。

 

「信じるか信じないかは、あなた次第」ということにしておいてね。

 

S氏についての疑問・二

 

二つ目の疑問は、「なぜS氏は『返信は待ってくれ』と言い出したのか」だ。

 

一つ前のメールでは「私宛にブラッシュアップ案を送ってくれ」とある。

なのに、その次では「都合により返信は待ってくれ」。

 

そのまま見れば、不可解すぎるメールだ。

 

しかし、このメールが送られた日付を見れば、ヒントはある。

前者のメールは金曜日で、後者のメールは火曜日に送られている。

 

説明するまでもないだろうが、一般的な企業は土日休みで、comicoもそうだ。

comico編集担当(584398)|NHN PlayArt株式会社の転職・求人情報|エン転職

 (この転職サイト重いので注意)

 

ならば、あとの予想も簡単だ。

 

月曜日、S氏に何かがあった。

「Growingチーム」外の部署への異動とか、チームの解散とか、

「何か上からの力が働いた」のは間違いないだろう。

 

それ以外で、この不可解さを説明するのは難しい。

 

M氏についての疑問

 

疑問は「なぜcomico編集部のM氏が担当になったのか?」だ。

同時に「なぜ引き継ぎに、二ヶ月もかかったのか?」でもある。

 

思い出してみてほしい。

S氏は「私宛にブラッシュアップを提案してもよい」と言っている。

 

これはいわば、

Growingチーム(に所属している編集者)が、ブラッシュアップも担当している

証左といっても過言ではない。

 

だとするなら、もし「S氏が異動になった」のだとしても、

Growingチーム所属の別の編集者」が担当する可能性が高いように思われる。

……少なくとも、別部署のM氏に回されるよりかは。

 

 

だからこそ、自信を持って言える。

これは「なんらかのイレギュラーがあって、M氏にお鉢が回った」のだろう。

 

普通の引き継ぎとしては奇妙な「二ヶ月の空白」も、

M氏が左原氏の漢字を間違えてること」も、状況証拠になりうる。

 

「何かが起きて、事態の収束に時間を要した」、

もしくは「左原氏が特別に、部署を越えて担当が変わることになった」

 

どちらにせよ、普通でないことが起きた。

通常で行われるはずの引き継ぎが、通常通りにはいかないくらいに。

 

それ以外の方向では、どうもしっくり来ない。

逆に言えば、根拠はそれだけとも言えるんだけれども。

 

 

一先ず、書きたかったことはこれくらい。

最後に個人的な気持ちを残して終わりとしよう。
 

終わりに:個人的な所感

 

これまで抑えていた僕の心持ちをはっきり述べれば、

 

この件、左原氏には利はないし、義もない。

こだわりのあまり、視野狭窄に陥っているきらいもある。

 

だけれども、

左原氏は紛れもない情熱を持っている。

ともすれば身を滅ぼすほどに、ギラギラと猛り狂う情熱の炎。

 

僕はそういう部分に、どうしても憧れを抱いてしまう。

 

勇敢なる左原氏の道行きに、幸あらんこと。

comicoの道行きにも、幸あらんこと。

 

楽しい思考を与えてくれたこの二者には、感謝の気持ちが出てくるよ。

そんなあたりで、この記事は終わり。