「無料が正義な時代のマネタイズ」:『広告で稼ごう編』
はいな!
第一回
第二回
と、続けてきたところで、
やってきました第三回、個別分野編。
今回からはタイトルもすっきりとリニューアル。
予告していた部分には無かったけれど、
「広告収益でのマネタイズ」についてのリクエストを受けたのです。
あと、第一回、第二回と肥大化を続けていたので、
思い切って記事を単離させることにしました。
参考書籍は、いつもの
「価格の心理学 なぜ、カフェのコーヒーは『高い』と思わないのか?」
なんですけど、今回内容的にあんまり関わっていません。
ではでは、そろそろ本題へ。
1:広告収益は雀の涙を重ねるもの
広告の仕組みを知らない人はいないと思う。
広告は基本「アクセス数次第」で、
自ずと「大量の人を呼び集める」ほうが有利なシステムだよね。
物品販売なら「狭い固定ファン相手の商売」も(一応は)できなくもない。
けれど、広告収益の場合ではちょっと難しい。
正直、かなりの人気がなければ牛丼一杯稼ぐのも難しい……。
そう、「一つのアドセンスだけを使っている」場合はね。
広告の良い所は「複数組み合わせられる」ことだ。
こういうブログで出来る有名どころだと、google先生とかamazon先生とか。
他にもいっぱいある。
漫画描きの人なら、「マンガ図書館Z」とか「アルファポリス」とか
「ニコニコ(リンクは静画トップ)」とか、僕よりも色々知ってるだろう。
(一応解説しておくと、どれもアクセス数に合わせて金銭報酬が返ってくるタイプだよ)
今回はこの、
「インセンティブが発生するマンガ投稿サイト」を主に意識して話すよ。
といったところで気になるところは、
これらのサイトにおける、「具体的なPV数/換金レート」だろう。
や、マンガ投稿もしてない僕はぶっちゃけ詳しくないけれど。
簡単に調べた結果だけでもメモしておくよ。
「(前略)その広告収益を100%作者さんにお渡しする」
http://www.mangaz.com/siteinfo/view/author/
ニコニコ(2014年当時の情報)
「2月における1再生あたりの支払額は0.388円となった。」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1403/31/news114.html
youtube(2014年当時の情報)
(要約)「以前は1再生/0.1円であったが、1再生/0.025~0.05円に減少」
http://news.livedoor.com/article/detail/9658492/
一回表示ごとに広告料発生タイプ(インプレッション課金)の説明
「インプレッション課金型料金の目安は、1000インプレッションあたり10円~500円前後」
http://makepo.jp/content/column/it-marketing-strategy/2015-11-11.html
これらの情報で、推測できることも程々にはあろうかと思ってる。
けど、ここでは深く取り上げない。
なぜなら、
『基本となる部分』はもらえる額の大小では変わらないから。
良くも悪くも「広告は広告」であり、
メリットとデメリット、両方ある。
これは「どのサイトでも、どの広告でも変化しない」部分。
というわけで、
「『広告収益を狙うこと』についてのマーケティング的な目線の話」を
話していきたいと考えております。
2:広告収益を狙うメリット
広告収益。
これは当然ながら「人気を得ていないと稼げない」。
ただ、何にだって関係のある話だよね、これって。
それに、この僕が「アクセス数伸ばす方法!」なんて語っても、
ぶっちゃけ説得力がない。
なのでここでは、
「『広告収益狙い』でのみ発生する部分」を話すよ。
メリットは主に二つの点から。
- 「面倒がない」という利点
- サブ収入としてのメリット
2.1:「面倒がない」という利点
これが最大にして最高のメリット。
広告収益は「手っ取り早くお金を得られる」よね。
グッズ作成したり、値段付けを考えたり、その他……。
なんてめんどくさいことは、何もいらない。
一番簡単な手法だと描き終えたマンガを、
「金銭報酬サービスのある投稿サイト」に、ぺぺっと投稿するだけで良い。
(実際は金銭受け取りの手間が必要だけども、そこは省略)
面倒がないという利点は、案外大きいものだ。
本来の理想としては、
「『作品を作る努力』以外何もしたくない」のがクリエイターってものだろう。
その願望を支援してくれる、“楽”な収益手段はそんなにない。
そして、広告収益は比較的“楽”な収益手段の一つだ。
ただ、先ほど言ったように「広告は雀の涙を重ねるもの」。
複数サイトでのマルチ投稿が基本になるので、
その煩雑さは覚悟しておいた方がいいかも。
2.2:サブ収益策としては最高?
次のメリットは「サブの収益策にもってこい」なこと。
メインが(電子書籍/グッズ販売/その他の)別のものだとしても、
人気の維持・向上には作品を投稿し続ける必要がある。
なら、その投稿作品でも広告収入を得た方が合理的だ。
なにせ広告による収益化は、
同人誌や電子書籍のように「新たなる値段付けを行わず」、
「無料公開のまま収益化」できるわけだ。
企業においても個人においても、
収益策を複数持つことは、とっても重要なことだからね。
先ほどの「面倒が少ない」ってことも、もちろん含めて。
利点は大きい。
こういった辺りが、広告の主なメリットだと思うよ。
3:広告収益を狙うデメリット
だがしかし、世の中美味しいだけの話はない。
広告収益を狙うことにも、デメリットが存在する。
デメリットについては、主に三つの点から話してくよ。
- 無料公開していかないと効果が薄い
- 換金レートは向こうが握ってる
- イメージ戦略の邪魔になる可能性も
3.1:良くも悪くも無料公開が前提
何度も言ってるけど、
広告収益は「多くの人を集めないと効果が薄い」。
多くの人を集める……となると、必然的に無料公開となる。
無料の是非は「第一回」で扱ったよね。
その中で重要な内容としては、
「一度無料にしてしまうと、有料化の難易度が上がる」ってこと。
これは意外とマイナスポイント。
ひとまず覚えておいて貰いたいのは、
「広告収益策 ≒ 無料公開」であることだよ。
「無料と有料」についての詳しい話は、「第一回」の方で! (宣伝)
3.2:主導権は向こうが握りこんでる
次に。
大原則として、広告を表示してるのはその投稿サイトで、
貴方は場所を間借りさせてもらう立場にある。
だからもしそのサイトが、
「ごめーん、今月から換金レート半減ねっ(キャピ)」と言ったら、
貴方の収益は即半減だ。
上の方にあった記事引用部分で、youtubeの話があったでしょ。
あれが端的な例。
……えーっと。
「やっぱりマンガ図書館Z大勝利だな」と言いたいわけじゃないです。
赤松先生が高潔なお方なのは僕も知ってる。
けど、そういうことじゃないっす。
広告をメイン収益にしていると、
「貴方が主導権を握れない」ことが大事な部分。
これは必ずしも悪いわけじゃないし、
逆に「面倒がなくなる」メリットにも関わること。
だけど「君主にはなれない」。
ずっと雇われ側の立場が続くことになる。
(メイン収益が別にあるなら別だよ)
貴方に最適な方向性は、貴方が決めるしかない。
それを考えるためにも、これは知っておいてほしいの。
「旗揚げのリスクを負わないなら、君主にはなれない」ってこと。
3.3:イメージ戦略の妨げ
これが一番大きなデメリット。
人は意識していようがいなかろうが、
「イメージ」を抱えて生きている。
(他人が感じている) イメージに見合った行動・言動をすれば、
「ああ、やっぱりあの人ってこういう人だ」と安心してもらえる。
逆にイメージに反することをすれば、
「あの人ってこういう人だったんだ……」と幻滅される。
文字にすると寂しいことだけど……。
人間、そういうものだと僕は思うの。
イメージ戦略は「意識してイメージを構築する」こと。
「理想のイメージを創りだす」と言い換えてもいい。
「この発言はしないほうが良い」とか、「これをすると自分らしくない」とか。
日々を暮らしてるなかでも、多かれ少なかれあるでしょ?
方向性は、その延長線上。
「他人からどう見てもらうか」をコントロールするわけ。
これを「イメージ戦略」とか、「ブランディング」とかって言う。
上手いお金儲けには、「イメージ戦略 ≒ ブランディング」が欠かせないんだよ。
で、本題。
広告を張る……特に「お金儲け目的で広告を張る」ってのは、
「自分はこの会社(広告主)の息の根かかってますよ、味方してますよー!」
と、言ってるようなもの。
いくら貴方にとっての認識が別のものでも、
お金の流れが発生するってのは、そういうことに見られてしまう。
これが問題として表出(今風に言えば炎上?)する……のは、
『たまに』しか見かけないけどね。
けれど、「一貫したイメージ戦略」の観点からは、ちょっと問題あり。
例えばね。
「その時々によって、行動が180度違う人」はたまに見かけるでしょう?
ああいうのは、端的に言って「イメージ戦略がなってない」方に入る。
そう!
一貫性がまるでない、このブログのようなやつだ!
人間は本質的に「一貫したキャラクター性」を好む。
だけど広告が入り込むと、その一貫性が崩れちゃうことが多い。
それはあまりよろしくない。
逆に言えば「広告を含めたイメージ戦略」を組めれば、
貴方は見事なマーケティング技術を魅せつけることとなる。
一番大事なことは、
「計画を定めてから、広告を導入すること」。
というわけで。
是非是非、このブログを反面教師にしていってね。
ending:まとめとcredit
まとめると、この記事の内容はこんな感じ。
- 広告収益を狙うのは、良い面・悪い面両方がある
- 最大の良い面は「面倒が少ない」こと
- 最大の悪い面は「イメージ戦略が崩れる危険性」
- 今の時代の王道手段でもあるので、慎重に取り入れるのが吉
広告についてはほんといっぱい記事があるから、
内容が被っててもゆるしてちょうだい。
初期構想では「広告を出す側の心理」もやるつもりだったけど、
記事が肥大化しすぎちゃってね。
また別の機会に延期しました。
ではでは、
これまでどおり、聞きたいことがあったらまたお気軽によろしくね。
んじゃ、この記事は終わり!
credit
いつもの参考書籍。
「価格の心理学 なぜ「カフェ」のコーヒーは高いと思わないのか?」
今回参考にしたのはちょこっとだけ。ブランディング辺り。
画像も、同じようにウィキコモンズ先生から。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Draw_Bag_Money.png